One STEP
「あっ!」
目の前に自転車に乗った慎也先輩の背中が見えた。
あたしは近所迷惑なんて考えずに、先輩の名前を叫んだ。
「慎也せんぱーいっ!!!」
振り向く先輩。
あたしは慣れた足取りで先輩へと駆け寄る。
「香澄ちゃん!おはよう」
「おはようございますっ!」
あたしはにっこりと笑った。
朝から会えるなんて最高っ。
この胸の高鳴りにもやっと慣れてきた。
「いよいよですね」
「そうだな。あ、乗ってく?」
え?
少し戸惑ったけど「乗ります!」素直に甘えておくことにした。
好きな人と2ケツ…夢だったんだもん。