One STEP
ヒラヒラと。
真新しいスカートが風を受けて舞う。
同時に踊るように桜も共に舞う。
春。
ずっと憧れていた山田先輩を追いかけるように、この高校に入学。
そして、今日。
とうとう勇気を出して告白し終えたところだ。
もちろん、こんなあたしを見れば誰もが分かるだろう結果に終わったのだが。
それは今から数分前の出来事。
あたしは校門で先輩を待ち構えていた。
まるで決闘でも申し込むようなその姿に、何人もの生徒が不思議そうな顔をして振り向いた。
気にしない。
そのときのあたしはドキドキ爆発寸前で、周りなんて見えない、先輩しか見えていなかった。
きっときっと大丈夫。
中学の時からあたしの事を知ってもらうために、ありとあらゆる事をしてきたんだもん!
根拠はないけれど、そんな自信があった。