One STEP
カッコいいと思う。
そして羨ましいと思う。
あたしが小学生の頃なんて走りまくってた思い出しかない。
ワーキャー言いながら、泥投げしてたっけ。
もちろんそんなあたしに夢などなくて。
何もないあたしには、琴子がキラキラして見えた。
やりたい事がしっかりと決まってて、おまけに可愛くてモテる琴子を羨ましいの半面、ずるいと思う気持ちが強い。
なんであたしはこんな子に生まれてこなかったんだろう…なんて考えて悲しくなったからやめた。
どうせあたしは普通女だ。
どう頑張ってもそこから抜け出せない。
「はぁ…」
「どうしたの?妖精が逃げていくよ?」
へ?妖精って…なんじゃそりゃ。