One STEP
目を開けて…このままバイバイは嫌だよ…
あぁ…これが、リノアの気持ち?
ポトリポトリと。
シーツに斑点。
あれ…あた、し…
零れ落ちる、涙。
ポトリポトリとシーツに落ちては、水玉模様を作っていく。
先輩…
分かった気がした。
『ユウヘイ―――ッッ!!!!!』
あたしがそう叫んだ時、先輩の消えそうなほど細い声が聞こえた。
聞き間違いじゃないかと、彼の口元に耳を寄せる。
『ユウ…ヘ…?』
あたしは目を見開く。
まるで、先輩が生き返ったみたいに見えてしまったの。
先輩は生きているのに…思ってしまったんだ。
次から次へと零れ落ちる涙。
先輩はあたしの涙を優しく拭き取ってくれる。
ドキンと胸が鳴る。