One STEP
タタタンっと軽い足取りで柳沢先輩と八木先輩が降りてきた。
とても気まずそうに口を開く2人。
「みんなお疲れ!」
「さてこんな中悪いんだけど、ステージの方出てもらってもいい?」
その声に、みんなは一斉に立ち上がった。
「よっし最後だ。みんなにお礼を言おう」
慎也先輩は鼻声。
カッコいいボイスが台無し。
先輩はあたしの手を握る。
あたしもぎゅっと握り返した。
みんなで幕の前に並ぶ。
みんなで一列になって手を繋ぐ。
大きく手を上げて、大きく頭を下げた。
瞬間、割れるような拍手が体育館中に響いた。