One STEP
究極の2選択
「アッハハハハッ!!!」
ムカムカと怒りが込み上げてくる笑い声。
部屋に響き渡るというのが余計に怒りを増幅させる。
あたしは何も言えなくて静かに拳を震わせることしかできない。
そんな笑い声が響き渡る部屋の中にあたしはいた。
ぎゅっと拳を握り締める。
爪が手のひらに食い込む。
今はそんな痛さも忘れていた。
「いーよ、アンタっ!!演劇部入れ入れっ!!」
人が真剣に悩んでるというのに…!!!
本当に悩んでいた。
それでちょうど家にいたお姉ちゃんに相談してみたのだ。
お姉ちゃんは小さい頃から真剣にあたしの相談を聞いてくれた。
だから。
今回もそうだと思っていたのに…いい答えが返ってくるかと思ったのに…!!
そしたらこの笑い。
笑いどころじゃない、大笑いだ。
人をバカにするのもいい加減にしろ!!