One STEP
あたしはスクっと立ち上がった。
もういいもういい!!
本気で怒っていた。
怒りがマックスの頂点に達した。
お姉ちゃんに相談したあたしがバカだったんだ。
確かにお姉ちゃんが大笑いする気持ちは分かる。
あたしと演劇なんて、どう考えても不釣合いだもの。
永遠にイコールで結ばれることはないだろう。
でもこれはさすがに酷すぎる。
ダンダンと足音荒く、部屋を出て行こうとするそんなあたしの腕をお姉ちゃんはガッチリと掴んだ。
あたしがいくら暴れても離してくれない。
一体お姉ちゃんは何がしたいんだ!!!!
「離してーっ!!」
「分かったから分かったから。あたしが悪かったからほら座れ」
そう言って、無理やり椅子に座らされた。
なんて強引なんだまったく…。
あたしは結局、抵抗の欠片さえもできなかった。