One STEP
エンジェルボイス
「お―――いっ!」
次は何だろう。
そう考えてしまうようになったあたし自身が少し恐ろしい。
慣れというのはすごい恐いものだと思った。
「エンジェルボイスちゃーんっ♪」
廊下に響く高い声、というかアニメ声。
子供の魔女役とかで出てきそうなやつ。
高い声なのに耳に残るような嫌な声ではない。
不思議な声だなと思った。
ここまで来ればいい加減ビビらない。
もう分かっている。
この声は演劇部のお方の声だ。
そこで落ち着いて、あたしはハタと気づいた。
エンジェル…エンジェルボイス…?