One STEP
あたし…。
出かかった声。
必死に堪えた。
「じゃー明日見に来てねっ♪」
「はい」
夏沙先輩があまりにも可愛い笑顔で笑うもんだから、あたしもつられて笑顔になってしまった。
演劇発表会は明日。
明日。
それを見て、あたしは何かを感じるのだろうか…?
自分と演劇部の先輩たちの違い。
それを改めて思い知るのが恐い。
けれどなぜか分からないけれど、見に行かなくちゃいけない気がした。
自分がどう感じるかなんて分からないけれど、なぜかこのままじゃすごく駄目な気がしてならなかった。