One STEP
幕開けと共に
演劇部一同様
やってきた演劇発表会当日。
楽しみなのか不安なのか、自分自身分からないこの気持ち。
もちろん隣の琴子は既に興奮中。
あたし達は体育館へと向かう渡り廊下を歩いていた。
やはり琴子の言うとおり、体育館へと向かう生徒達が多い。
やっぱり凄いんだな、と思った。
これは急がないとまずい。
立ちながら見ることになんてなったら最悪だ。
「かっすみーん♪」
突然聞こえたその声にゆっくりと振り返る。
もちろん、この特徴的なアニメ声は誰だか見なくても分かる。
だいたい〝かすみん〟なんて言うのは夏沙先輩だけだしね。
「あ、こんにちわっ」
ズラリと。
演劇部の皆様登場。
うわっ…すごい絵になってる…。
思わず見とれてしまうほどカッコ良かった。
隣の琴子なんてビックリしすぎで口をパクパク動かしているだけ。