One STEP
「ふッッざけんなぁ―――ッッ!!!!!!!」
吠えるように、噛み付きそうな勢いで。
たまたま見つけた、廃校舎の2階階段の踊り場から叫んでいた。
今となって落ち着けば、悲しみよりも怒りの方が大きくなっていた。
このイライラとした気持ちのみが残ったのが結果。
分かってる。
こんなこと本人に言えってことぐらい。
うぅっ…言えるわけないじゃない…
荒木香澄。
いきなりさっそく失恋です。
「うぅ…」
叫んでも喚いても消えてくれないこの気持ち。
悔しくてボロボロと涙が出続ける。
かなりショックだ。
だってあの言い方はどっからどう捉えても『ブサイクなのによく俺に告白したね?』って、言われたようなもんだ。
さすがのあたしでも、今回はかなり傷ついた。
酷いよ!!
あんなのあたしが好きな先輩じゃなーいッ!!
ギーッと。
歯を食い縛りながら心の中で叫び、ふと気づいた。