One STEP
っち、と隣から舌打ちの音。
琴子から聞こえた音だと知り、ちょっとビックリ。
「やっぱり凄い人の量ね」
体育館に到着するなり琴子は言葉を溢す。
ズラーっと体育館に並ばれているパイプ椅子。
もう軽く半分の椅子は埋め尽くされているだろう。
まだ40分前だ。
なのに、この人の量はなんなんだ。
よっぽど凄いんだな…。
先生ももういるし。
地域の方々もたくさんいた。
もちろん生徒も負けないくらいいる。
凄いと思う。
流されるようにどんどん体育館へと集まってくる人の波に、しったり2本足で立っていないと飲み込まれそうになる。