真実の書

「熱・・・あるんじゃない?」

「樹くんが熱出した~!」


え?

俺いつ熱有るなんて言った!


「ごめんね・・・私、樹くんのこと、本当に心配」

そう言うと、女子達の中から1人、リーダー格の奴が俺の額に触れてきた。

だから熱なんてねぇんだよ!


そう言いそうになった時だった。


『やだ~!私、樹くんに触っちゃった!』

ハァ?

今、俺の額を触ってる奴の声が聞こえてきたのだ。

その声は現実味の無い響きをしていた。


昨日とまるで同じ感覚に陥った。
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