真実の書
それとほぼ同じ時だった。
『樹くん・・・大丈夫なのかな』
『樹くん死なないで!!』
『樹くん!樹くん!イツキクン、イツキクンイツキクン、イツキクンイツキクンイツキクンイツキクンイツキクンイツキクンイツキクン・・・・・!!!!!!!!!』
「うるさい!!」
やば。
俺はいつの間にか叫んでいた。
耳を押さえてる。
息が切れてる。
汗が滴り落ちた。
しんとした空気。
「樹くん・・・?」
女子は喋ってなんかいなかった。
ただ俺を静かに見ていただけだったのに・・・。