真実の書
【有香】
「おはよう・・・?」
私は静まり返った教室に入って、
いつものように挨拶した。
でも変だ。
何かが変・・・。
(樹?)
「ごめん・・・急に叫んで・・・」
男子達が集まっている。
周りに女子が野次馬してる。
「樹・・・本当に熱が・・・」
「・・・かもな。ちょっと保健室行ってくる」
樹が教室を出ようとした時、私の肩がぶつかった。
「ごめん!」
「いい」
樹の声が暗いことに気付き、急に寒気がした。