真実の書
【有香】
「何だろうこれ?・・・昨日から、外れない」
自宅。部屋。
私はベッドの中で大きく息を吸いながら寝転がっている。
右手首の包帯を外すと、そこには見慣れない金色のブレスレットのような物が填められていた。
痛みとかは全く無い。
ただ外れないのが不便だった。
今朝起きたときに、何故か填められていた。
全然見覚えが無い・・・。これは何?
「明日になっても外れなかったらどうしよう」
私が右手を天井へ突き上げると、そのブレスレットに填まっている赤い石が気味悪く輝いた。