真実の書

「夕焼け、綺麗だね」

私がコロに言うと、コロは舌を出して尻尾を振る。

ハッハッという吐息が元気そうで良かった。

「暗くならないうちに帰らないと」

私はコロに繋がっているリードを引っ張った。

でも、コロがいつもの様に着いてこない。


「?コロ、どうしたの?」

コロは、私が進もうとしている方と逆方向へ顔を向けていた。


尻尾が大きく揺れていた。
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