真実の書

「ハイ・・・」

私は返事して、コロの頭に手をやった。

「?」

女性は何か見つけたように首をかしげた。

「その手首・・・?」


私の手首を見ている。

目が見えないけど、確かに視線が行っている。


「・・・もしかしてあなた・・・」

女性が今度は私のほうを見上げて言った。


寒気がした。

女性の目は、優しい色だったが、冷たさを感じた。
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