君がいれば、
ばつが悪そうに,目線を泳がす爽太に追い詰める。
「私いつまで爽太の隣人やってればいいの?」
「そんな寂しいこと言わないでよ,ともー」
…出た!爽太得意の子犬顔!
私が怒ってると,いっつも颯太は捨てられた子犬みたいな顔をして私に許してもらおうとする。
だから,こいつはこんなにも甘ったれになってしまったんだ。
今度こそがつんと言ってやる!がつんと!!
私が爽太に睨みを効かせてやると,颯太はまた困ったような顔をする。
私はいつだってこの顔に弱いんだ。
「でもさー,いいじゃん?隣に住むくらい?何も一緒に住ませてっていいてるわけじゃないんだしさー」
「でも!爽太の大学からは遠いでしょ?何もこのアパートじゃなくてもいいんじゃないの?」
私は大学が近くて値段も安かったからここを選んだんだけど,爽太の大学からは確か結構離れているはず。