恋の相手―…*短編集
先生と生徒
「せーんせっ」
「…須藤くん。」
彼は須藤啓太(すどうけいた)。
あたしが来たときから結構懐いてはくれてるんだけど…正直鬱陶しい。
「あれ?先生、疲れた顔してんね?」
誰のせいだ、誰の。
須藤くんは、結構な問題児。
運悪く、あたしが彼のクラスの教育実習に当たっちゃったんだよね。
「はぁ…次の授業に遅れるわよ?早く行きなさい。」
「はいはい。分かってますよー。」
って言ってるそばから、教室とは逆の方向に向かってるし…。
髪は金髪、ピアスは当たり前。制服は着崩して…。
……似合ってるんだけどね。