恋の相手―…*短編集
ついた先は、侑希の家。
「侑…希?ねぇ…由美(ゆみ)ちゃんいるんじゃ…」
由美ちゃんとは侑希のお母さんのこと。
「は?気付いたなかったわけ?今朝もいなかっただろ。」
あ…言われてみれば…。
「……。」
またあたしの手をとって、階段を上る。
侑希の部屋の前でちょっと止まったけどドアを開けて、手を離される。
「…座れ。」
一言そう言われ、大人しくソファに座る。
毎朝きてるけど…こういうのは久しぶりだな。