向日葵の咲く頃に
獣人?

いや…物の怪?

姫羅木さんの愛らしくも奇怪な姿に愕然としていると。

「あっ!いけんて姫羅木さん!」

店内からパックの稲荷寿司を持ってきた千春が声を上げる。

「雄大は普通の人なんじゃけぇ!そんな姿を見せたらびっくりするが!」

「何が普通の人なものか!」

きっと獣なら威嚇の咆哮を上げているに違いない。

そんな剣幕で、姫羅木さんは僕と千春を交互に見比べた。

「こいつは、わらわの結界を破って山に入ってきたのじゃ!わらわがどこにいようと、自分の結界が破られた事は即座に把握できるわ!」

「……」

千春は姫羅木さんのこの姿を知っているのだろうか。

彼女を奇異の目で見る事なく。

「…ほんまか?雄大」

寧ろ僕の方にその奇異の目を向けてきた。

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