向日葵の咲く頃に
目を、パチクリさせる。

それは火の玉…狐火とやらを投げつけた姫羅木さんも、そばでハラハラしながらやり取りを見ていた千春も同じだった。

「おのれ人外!」

自分の事は棚に上げて声を上げたのは姫羅木さんだ。

「わらわの狐火を掻き消すとは面妖な!雄大、お前何をしたっ?」

「いや…」

何と言っても…僕自身は特にこれといって何もしていない。

だが、自慢の狐火が何の仕事を果たす事もなく消滅してしまった事に関しては、説明しないと姫羅木さんも納得しないだろう。

僕に狐火が通用しなかったのは、僕自身の先天的な体質というか、能力に起因する。

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