向日葵の咲く頃に
「そんな筈はなかろう!」

ムキになる姫羅木さん。

その可愛いお尻から伸びた尻尾が、一本から二本、二本から三本…。

最終的には四本となる。

白いフサフサの毛に覆われた尻尾。

太陽の光を反射するそれは、ともすれば白銀のようにも見える。

降り積もったばかりの新雪のような美しさ。

だけどその美しさとは裏腹に。

「覚悟せい、雄大」

姫羅木さんの命令で鎌首をもたげた四尾は、まるで大蛇のようでもあった。

「お前の持つ“完全魔術耐性”(マジック・キャンセラー)とやらが、本当にわらわの神通力を完全に防げるのかどうか…」

四本の尾が走る!

「わらわが検分してやる!」

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