向日葵の咲く頃に
何とか短編ですね
姫羅木さんの全身に力がこもる。

「こんな童相手に…」

次の瞬間、銀の四尾がユラリと円を描いた。

真円を描く四尾。

その円が、次第に炎を纏っていく…。

「っ…!」

僕も、そばで見ていた千春も、その炎の威圧感に息を飲む。

炎を纏った四尾。

しかしその炎は空気との摩擦で生じたものでも、ましてや狐火とも違う。

温度とか、色とか、そういうものじゃない。

炎の『質』そのものが、ここまでに見せたものとは根本的に違っているようだった。

「よく聞け雄大…これは『葬送の炎』というものじゃ…わらわのような天狐が扱える中でも最大級の神通力…色々と制約があるのであまり使いたくはなかったのじゃが…」

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