ねぇ…先生。。
『何も言わずに黙って聞いとけよ?』
私はコクンと頷く。
『…夏休みずっと待ってた。
あの時も言ったけど零から
”会いたい”とか
”寂しい”とか
そういう内容のメールが来たらすぐに駆けつけようと思ってたんだよ、俺は。
なのに零はいっつも俺を励ますばっかりでさ…。
俺なんて会いたい気持ちが溢れそうになってたのに…。
俺の方が大人なのにお前はずっと我慢してて…』
先生は私の腰に回した腕に力を入れる。
私は先生の手にそっと自分の手を重ねた。
『あの日……。
もう押さえきれなくなって会いに行っちゃってさ…。
零を抱きしめたときもうダメだって思った。
お前が我慢できて、
俺が我慢できない。
そんなんじゃこれからやっていけないって思ったんだ。
俺が一人前になるまでは零と付き合えないってそう思ったんだ……。
でも、いざ別れると零からのメールも電話も何もなくなって…。
すっげぇ寂しかった。』
先生の手はすごく温かかった。