ねぇ…先生。。
「優は…逝ってしまったんです…。
…家族で海外に旅行に行って、セスナ機に乗ったんです。
そしたらそのセスナ機が…
事故に遭わなければきっと、
私たちと一緒に…この高校に入学してたと思います…。
テレビで被害者の名前を見たとき……
まさか、まさか優が…………」
優は私の元カレ。
そして幼なじみだった。
涙は一度流れるとなかなか止まらない。
空港が見える方角の窓の前へ行く。
「……海の上にセスナ機は落ちました。
だから…優の……かけらも遺品も……
何も…私のもとに帰ってこなかった。
だから本当に優がこの世からいなくなってしまったっていう実感が湧かなかった…
でもそんな私を見かねて未来が言ったんです。
”優は死んだんだよ?
いつまでもそれじゃだめだ。
忘れなくてもいい。
だけど現実はうけとめなきゃ”って…。
その言葉でなんとか普通の生活を送れるようになったんです。
でも…今も優のことは……思い出しちゃうんです…」
話し終えてもまだ流れ続ける涙。
そして先生は何も言わない。
ただ困らせただけだったかな…??
と、話したことを後悔していると…
『なぁ?西城…??』
黙っていた先生は急に言葉を発した。