ねぇ…先生。。
最後の調理室
調理室のドアの前で立ち止まる。
手も足も震える。
どれだけ深呼吸して気を落ち着けようとしても胸のドキドキは速さを増すだけだった。
このドアの向こうに本当に先生がいるのか…
このドアの向こうには何が待っているのか…
そのことを思うとどうしてもドアを開けることができない。
でもこんなこと考えるだけ無駄じゃない?
もし先生が私にとって悲しいことを言うつもりなら、
帰るときにでも
”今でも先生が大好きなんだよ!!
先生と過ごした時間は楽しかった!
ありがとう!!”
って伝えればいいんだよね。
零!頑張りなさいよ!!
自分で自分に気合いを入れて
まだ少し震えている手でドアを開けた。
そうすると調理室の奥にいるあの人。
先生は肘を机につき
目を閉じて俯いていた。
私が調理室に入ってきたのに気づいた先生は顔をあげた。