ねぇ…先生。。
第3章

通じる心





【ガラガラガラ】


久しぶりに開ける調理室のドア。


相変わらず開けにくい。


2週間くらい来てなかっただけなのに、
すごく懐かしい気がする。


思わず


「しつれーします」


なんて他人行儀なこと言ってね。


『お―っ!西城!!


何が”しつれーします”だ。

いつも勝手に入ってくるくせに…』

そう言いながら先生はいつものようにお皿を洗っている。


前となにも変わらない先生。


そんな先生の姿に安心している私。


『西城…??

またぼーっとしてんのか?


それがお前の特技なのか??』

なんて言って

クククッと笑っている先生。



「うるさいよっ、せんせ!」


調理室に入ったらいろんな感情が全部飛んだ。



バカみたいに悩んでた自分が哀れに思える。


私は何を考えてたんだ??



先生がそんな人じゃないことくらい私なら知ってるでしょ?




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