ねぇ…先生。。
「じゃあ誰なの??」
私は携帯を開いたり閉じたりして気を紛らわす。
元カノのことなんて気にしている、
こんな私がイヤだ…。
『西城が教えてくれたら教えてやるよ。』
食器が擦れ合うカチャカチャという音が調理室に響く。
「先生が教えてくれたら教えてあげる。」
先生の背中を見つめながら言った。
”先生が好き。”
なんて…言えるワケない…。
『それじゃあ目、瞑って。』
言われた通りに目を瞑る。
【カチャッ】
目を瞑ると視覚が奪われ聴覚と嗅覚だけになる。
そのためにいつもいた調理室なのに変にドキドキする。
「せんせ??どうしたの?」
目を瞑ったまま話す。
【コツンコツン】
先生の靴の音が段々近づいてくる。
その音が大きくなるにつれて私の心臓の音も大きくなる。
【ドキッ、ドキッ、ドキッ】
【コツン、コツン、コツン】
私の心臓の音と、先生の靴の音が重なる。