ねぇ…先生。。
「ちょっとトイレ行ってくるね。」
屋上からの帰り未来にお弁当箱を預けて私はトイレに向かう。
手を洗いトイレから出てくると廊下の奥の方から歩いてくる私の大好きな人。
なんでこんなに遠くにいるのに先生だって分かるのかな……?
先生はそのまま私のいるほうへ歩いてくる。
先生のいるほうには私の教室、
私のいるほうには調理室がある。
先生の横を通らずにいくなんてまず不可能。
私は意を決して歩き出した。
先生は今何を思ってる?
私のこと考えてくれてる…?
そんなことを考えながら足を進める。
私は何を期待していたのだろうか。
もしかしたら先生は何か言ってくれるんじゃないか、
そんな淡い期待を抱く私。
でも
『こんにちわぁー』
と、先生は言った。
みんなと同じように…。
やっぱり私はもう…みんなと同じ生徒なんだよね…。
先生の彼女じゃないんだよね…。
私は一度振り向き小さな声で呟いた。
「先生、私はまだあなたのことが大好きです。」
と―――………。
きっと私の声は先生に届いていないだろう。
でも、別にいいんだ…。
先生を困らせたくないから、
先生にしつこいと思われたくないから、
だから私の声なんて届かなくていいんだ…。