天使のメロディー
第0章--過去--
それは、あたしがまだ小学生だった頃…
「ねー、この時期にテンコーセーだってー!!」
「違うよ!プチ留学生だってば!!」
「えー!じゃあ、ガイジン来るの??」
「どうだ「はーーい!席着いてーー!!」
騒がしかったクラスが、なんとか静かになる。
今は小学校6年生の秋。あたしのクラスに、[プチ留学生]なるものが現れた。
「えと…奏野和斗です!!1週間しかないけど、仲良くしてくれっ!!」
彼はそう言うと、ニッコリと笑顔を見せた。
「じゃあー…奏野の席は春河のとなりな!」
『へっ!!あたし??』
「おう!よろしくな、春河!」
奏野くんは、綺麗に笑った…
……ズキっ……
このとき、あたしは奏野くんに片想いを始めたんだと思う。
奏野くんは、明るく人懐こい性格で、すぐにクラスのみんなと打ち解けることができた。
しかも、彼はその爽やかすぎるルックスで、たくさんの女の子が彼に恋をした。
あたしには、遠い存在でしかなかった。