天使のメロディー
間近で見ると、やっぱりかっこいい…
170cmはゆうに超えていそうな身長。
何より、その真っ黒で吸い込まれそうな瞳。
目は垂れ目で、昔の面影を残している。
が、その視線は冷たく、あたしを睨んでいた。
「何?告白とかお断りだから。つか、明石、気安く名前呼ぶな。」
低いテノールの、綺麗な声…
でも、その口調や言葉は、あの奏野くんとは似てもつかないほど冷ややかだった。
「おーいー、冷てえなー。てか、女の子にそれはないだろっ!!」
「知るか。てか、気安く話しかけんなよ。」
「へいへい。。まったく、こえーんだから。。」
明石くんは、そんなことを言いながらも、笑顔を崩さぬまま。
そんなことより、あたしはまた固まってしまった。
「おい、用がねぇならいちいち呼ぶな。」
彼はそう言ってすぐ自分の席に行ってしまった。