不器用な恋
蓮が俺らに抱きつくたびに、女子達が悲鳴のように叫ぶ。
『キャー!』
そんな事が日常茶飯事だから、慣れてきた。
廊下も教室も、女達の視線が気になるから、いつも俺らは屋上に行く。
いつも屋上には、由月先輩がいた。
傷だらけで座り込んでたり、音楽聴きながら座ってたり。
高1の間では、由月先輩は有名だ。
いや、学校中の誰もが知ってる。
屋上に行く度、蓮が由月先輩を見て愛しそうに見つめていた。
『由月先輩、綺麗だよね。』
蓮はこれを連呼していた。
『んー綺麗だよな。マジ、美人。でも、ヤンキーじゃんか。カッコイイ感じもあるし。』
聖夜も由月先輩が気になってるみたいで、いつも由月先輩を見てた。
俺はそんな二人の側にいるうちに、由月先輩が好きになってた。