不器用な恋
*優貴side*


由月が無機質な瞳で、いつか消えそうなくらい弱い声で、過去の話をするから、無性に寂しくなった。


荒れているように見える由月の裏は弱くて、傷つきやすい、繊細な女の子だった。


複雑な家庭環境でドンドンすさんでいった由月はあまりにも弱すぎた。

精神的にも辛そうだった。


ふと、由月に質問される。


『じゃあ、今度は、優貴のこと、教えてよ。』


『俺は別に、隠してることとか、無いし…』
そう
言いかけたとき、由月の唇が俺の唇を塞いだ。


一瞬の出来事でビックリした。


由月らしくない、そう思った。


キスした後の由月の顔が段々赤くなっていった。




『由月かわいいな。あんまりドキドキさせんなよ。』


冗談じゃなくて、本気でそう思った。


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