不器用な恋
『姫城さん、怪我、大丈夫?』
そう顔を覗き込んできたのは坂田だった。
ウチはメモ帳に速めに文字を書いていく。
“ 大丈夫。でも、しばらく声出せない。 ”
それを見た三人は驚いた顔でアタシを見た。
『マジ?姫城さん、大変だね。でも、字、超キレイ。』
坂田はアタシに笑いかける。
“ ありがと ”
『姫城って、もともと美人だけど、なんか今日は一段と綺麗だな。メイク、薄めでも可愛いじゃん!髪も結んでた方が可愛いよ。』
田辺はアタシの肩に手を置く。
“ 何、お世辞? ”
『ハハハッ!まさか!バリバリ本気!姫城は無自覚か……』
田辺は少し驚いた顔をしている。
『姫城さん、可愛い!でも、その怪我も、これもケンカでしょ?』
坂田はアタシの顔のアザを人差し指でなぞった。
“ だったら、何? ”