不器用な恋
“ あと、アタシのこと、由月でいいから。 ”
『あぁ。俺は仁で。』
『うん!りょーかい♪僕は類で。』
『オッケー。俺は亮太でいいよ。』
“ りょーかい! ”
『『キャー!』』
教室のドア付近の優貴のファンが叫んでいる。
ドアに視線を向けると、女子に囲まれた優貴がいた。
優貴は笑顔で女をかわす。
未だにドアの真ん前で騒いでいる女達。
『どけよ。』
聞きなれた声だ。
少し低めの女の声。
ドア付近にいた女子はスッと道を空けた。