不器用な恋
*由月side*



『由月かわいいな。あんまりドキドキさせんなよ。』

優貴の一言の方がドキドキするし。


『優貴…アタシ、これから優貴のこと、何度も傷付けるかもしれない。それでも、アタシを好きでいてくれる?』


『…………俺は、お前にどんなに嫌われても、どんなに傷つけられても、お前を好きでいる。お前を嫌いになることはない。』


『優貴……。』



また涙が溢れそうだった。


『由月、泣くなよ?俺、お前の悲しい顔見たくない。』


『優貴、アタシのこと………』


『好きだ。誰よりも。まだ出会ったばっかだけど、お前が好きだ。』


優貴は何度も優しくキスをした。

『んっ……、』



そのキスは優しいけど、熱かった。


段々キスも激しくなっていった。


舌を絡め合い、何度も抱き合った。

優貴の唇は段々首の方へ下りて、軽く首にキスをした。

『これ以上やると、止まらなくなるから終わり。理性が持ちそうにないし。』

優貴は優しくアタシを抱きしめてくれた。

チャイムが鳴ると、優貴は立ち上がりアタシに手を差し伸べてくれた。


優貴の手に掴まり、立ち上がる。

『お昼の時間だな。由月っていつも弁当?』

『いつも食べてない。』

優貴はビックリした様子で、
『え?食べてねぇの?』
と言った。


『弁当、自分で作んのめんどいし、学食は金かかるし。』


『パンでいいよな?俺、買ってくるから、待ってろよ。』

そう言って、優貴は走っていった。




< 12 / 239 >

この作品をシェア

pagetop