不器用な恋
アタシの家から、数分歩くとすぐに、賑やかな街並みに変わる。




オシャレなお店が立ち並んでいる。


そんな街はカップルで溢れかえっていた。



コンビニの前にはナンパで生きているような、チャラチャラした男が数人立っていた。




『君、綺麗だね。君みたいに綺麗な子がこんな時間に歩いてると、危ないよ?僕たちとどっか行かない?』



茶髪で整った顔立ちをしたおんなじような男達がアタシを取り囲む。



『じゃあさ、ご飯奢ってくれない?』


『え、いいの?』

まるで断れると思ってたみたい。



『イタリアンとかがいいなぁ。』


かわい子ぶって、男に寄りかかる。


こういう男はかわい子ぶって、甘えれば簡単に落とせる。


それか、ちょっと冷たくする。



ナンパなんて、日常茶飯事。






『ヤバ…………マジかわいいんだけど。じゃあ、行こうか?えっと、名前は?』



『ゆづき。』



『ゆづきちゃん?かわいい////俺、和樹。』



『俺、悠希。』

『俺は翔太。』


『僕は夏樹。』


『俺は、智也。』



僕、と言った夏樹はアタシの手をとり、指を絡めた。



『ゆづきちゃんは、僕の!ゆづきちゃんは年下ってなし?てか何歳?』


『17。』


『僕は、16。』



『たった一歳くらい気にしないけど。夏樹くん、お腹すいた。』


アタシは夏樹に寄り添う。


『ゆづきちゃん、かわいすぎ。みんな行こ?』



『ゆづきちゃんは夏樹だけのものじゃねえぞ!』


他の男たちが口を揃えて、言う。







翔太や悠希、智也や和樹はアタシに近づく。




夏樹はアタシの手を握ったまま、歩き出した。
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