不器用な恋
『ゆづきちゃんは彼氏いないの?』


『いると言えば、いるかな。』

それは愛斗のことだ。


『何それ?どうゆう意味?僕は恋愛対象に入ってる?』



『彼氏もどきみたいな感じ。恋愛対象?入ってる、かな?』


夏樹くんはアタシを見つめる。


『マジで?ゆづきちゃん、ありがと///』



その時の夏樹の顔はナンパの男の反応ではなかった。

本気で照れていた。

『夏樹くん、そんな顔するんだ。かわいいね。』



『マジ、ゆづきちゃんやめて…!ほら、着いたから。』






オシャレなイタリアンのお店だ。



大きいテーブルに案内される。




夏樹くんはアタシの隣を早々と座った。



『智也、翔太、悠希、和樹、何食べる?ゆづきちゃんは僕のおすすめのパスタね。』


〜〜♪



知らない番号からの電話だった。



『みんなごめんね。』
アタシはそう言って、席をたった。



『はい。』


「優貴だけど。」


『番号、なんで知ってるわけ?』


「いや、夕姫奈とかいう女に渡された。」


『いつ?』


「さっき。街で。」


『で?なんか用事?』


「今から会えない?」


『無理。それに今ごろ優貴と話すことない。きるよ?』


ブチッ。。。



席に戻ると、夏樹くんが悲しそうな表情でアタシのことを見ていた。



『ほら、パスタきたんだよ。美味しいから!』



確かに美味しい。


『超美味しい!智也くんのも美味しそう。貰っていい?』



智也は自分のフォークを差し出す。


『ありがとう。』



『美味いだろ?』


『智也くんは作ってないじゃん!』



夏樹くんはそれから最後まで不機嫌だった。









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