不器用な恋
アタシは電話をきる。
『優貴、愛斗、ごめん。また今度話そ。』
アタシは屋上を出ようとすると、愛斗と優貴に呼び止められた。
『由月!どこ行く気?』
『ダチが戸崎ってやつに、殺られそうなんだよ。時間ないから。』
『つまりケンカだろ?』
優貴はアタシを真剣な眼差しで見つめる。
『だったら、なんなんだよ!』
アタシは急いで屋上を出た。
早々と階段を駈け降りる。
授業中の静かな廊下に足音が響き渡る。
『由月!遅い!』
夕姫奈はすごい形相でアタシを睨んでいる。
『由月、アンタはダチが殺られそうなときに何やってんの!早く行くよ!』
夕姫奈はアタシの腕を掴み、走り出した。