不器用な恋
*夕姫奈side*



『由月………?由月!由月!』


アタシはどうすればいいのかわからず、どんどん出てくる由月の血を見ていた。




『ゆ…き………な、どした……?』



後ろから、唯の今にも消えそうな声が聞こえる。



振り返ると、フラフラしながらもかろうじて立っている、唯の姿があった。



『由月!?由月!』


唯は必死に鉄骨やパイプをどけようとするが、とても重くて、びくともしなかった。





『夕姫奈!救急車!救急車!美波と紗依と咲夜華も意識ないし。。。』



唯はアタシの目の前でバタッと倒れた。



『唯!?』



アタシはケータイを取り出した。



『あの、海辺の空き地の第二倉庫で怪我人が多数いて、一人が、重傷で……………助けて………』



アタシは由月からどんどん出る血を見ていたら、涙が出てきた。




10分ほど経ち、救急車が到着した。



その間も美波、紗依、咲夜華は目を覚まさないで倒れたままだった。




『電話をくれた方ですか?』


『………。』
アタシは無言で頷く。



『重傷の方は………』


アタシは無言で由月を指差した。




アタシは救急隊に抱き抱えられなければ、立てなかった。


その瞬間、アタシは気を失った。
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