不器用な恋
病院の匂い……?


アタシは目を開けると、白い天井があった。



『あ、瀬戸さん?大丈夫ですか?』

女の看護師がアタシを覗きこむ。


『あの!姫城由月は!?』


『姫城さん……?あ、…………………彼女はICUです。未だに、目を覚ましてませんね。』



『美波とか、紗依とか、咲夜華とか、唯は?』




『上河美波さんと、蒼井紗依さんと、八神咲夜華さんですか…?…彼女たちは一般病棟ですね。桐谷唯さんは………ICUだったかと…』



『ここは?』


『こちらは一般病棟です。』






『由月は、どういう状態なんですか?』


『詳しくは………わかりません。先生を呼んできます。』




『相澤、行く必要はない。俺はここに居る。』



部屋のドアに寄りかかっている、若い男だった。


まだ二十代前半くらい。


白衣がよく似合っていて、茶髪の長身だ。




『ちなみに、俺は牧原星輝。どーぞよろしく。』



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