不器用な恋
『………いてっ…瀬戸さん、殴るのはダメだよ?』


『見下すのもいい加減にして!子供扱いとか、マジウザい。』


『なに?一人の女として見てほしいの?』

妖艶な瞳でアタシを見つめる。



『は?あり得ないから。由月、助けてよ?絶対ね。』


『医者として全力を尽くすよ。…………瀬戸さん……?』


目の前の景色がボヤけた。

一瞬にして身体の力が抜け、床に倒れた。


『瀬戸さん!?瀬戸さん!?』


牧原の呼んでいる声も段々小さくなっていく。



その時、アタシは意識を失った。
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