不器用な恋
『えっ?どういうことだよ………おい!由月は、もう喋れねぇのかよ!』



越谷先輩はその男を睨み付ける。



『その可能性が高い。』






由月先輩はサイドテーブルに置いてあった、メモとペンを取り、何かを書き始めた。





“ 優貴、愛斗、わざわざ、来てくれて、ありがとう ”



『由月先輩の字、初めて見た。綺麗。』


由月先輩はまた何か書き始めた。


“ もう遅いから、帰りな? ”

いつのまにか、7時をまわっていた。



その間、由月先輩は少しも笑わなかった。







病院の帰り道。



越谷先輩と俺は一言もしゃべんなかった。



< 61 / 239 >

この作品をシェア

pagetop