*おベンキョの時間*
プールで溺れた私も念の為に病院に足を向けた。


「弟さん…大丈夫ですか?」


「ん、あ…いつものてんかんだと思う…」


「てんかん?」


「ああ~俺を呼ぶってコトは治療費の支払いだろう~最近…俺の稼ぎを母さんたちは
アテにしてるから…でもアテにされてもこっちは困るんだけど……」


「……」


運転しながら尭耶さんは家庭事情を私に少し話してくれた。



助手席で私は尭耶さんのフクザツな顔を見つめた。


「…俺は家族から決裂したのに…家族が俺を離してくれない…俺がどんな想いでいた
かなんて母さんは何も分かってない…」




「尭耶さん?」




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