*おベンキョの時間*
「処置は適切でした……」


「………なら…どうして逃げるの?」


「それは……」


「………まあ~いいよ…帰ろうか?」


「尭耶……」
誰かが尭耶さんを呼び止める。


髪の長い…細身の中年女性。



「母さん!?…話は終っただろ?」


「…今…あなたにホストの仕事辞められたらこっちも困るの…考え直して……」


「……それは無理だ…親父の遺産や生命保険金…一体何に使ったんだ?俺は一銭も
相続してないのに…」


「それはあなたが…事情は説明したでしょ?」


中年女性は尭耶さんの母親だった。


< 151 / 312 >

この作品をシェア

pagetop