*おベンキョの時間*
「……」


俺も周囲の目を気にして…それ以上は何も聞かなかった。


俺の願いは……ーー



由愛子さんが俺と菜々香ちゃんのコトを許してくれるコト…



二人揃って蝋燭の火で線香花火を点ける。



パチパチと小さな火花を散す線香花火。



そっと扱って少しでも長く火球を落とさないように頑張ったけど…


俺のは落ちてしまった…


菜々香ちゃんも火球も落ちていた。


口惜しそうに菜々香ちゃんは石畳に落ちた火球を見つめる。


「まだまだ…あるし…頑張るぞ!!」


「はい!」



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