*おベンキョの時間*
俺は自室の二階に上がる。



俺の部屋は物置部屋になっていた。



この家にはもはや…俺の居場所はない。


「お兄ちゃん…久しぶりね~」


ガッコ帰りなのか制服姿で妹のあすみが二階に上がっていた。


「久しぶりだな…」


あすみは俺の顔をジ~ッと見つめる。



「あいかわらず…お兄ちゃんは女形が似合いそうなキレイな顔してるね~」


あすみは俺の女顔を羨ましがっていた。


でも俺はその褒め言葉がいちばん嫌いだった。



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