*おベンキョの時間*
でも完全に否定は出来なかった…


「……」


俺たちに前菜が運ばれて来た。


互いに口を噤み、前菜を口に運ぶ。



「……私は尭耶と結婚出来なくても…一人で産むつもり…」


「……」


「尭耶は私を唯の常連客の一人として見てなかったけど…私は尭耶を一人の男性として
見ていた…」



「成美さん…!?」



「私…金森社長には負けたくなくて…風俗で働いて大金を稼いだ…そして尭耶に貢いだ」



「俺にそこまでしなくても…」



「だって愛してたの……スキなの…自分のオンリーワンになって欲しかったの…」



成美さんは涙で溢れた瞳を手の甲で押さえる。



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